地球まるごと遮熱材とは

 雪上用遮熱材

 

 

 

雪国では、全層雪崩が起きる頃一気に気温が上昇し急激な雪解けにより洪水が毎年のように発生しています。又、温暖化の影響で積雪量が減少し水不足を心配している地域もあるようです。
私たちは、遮熱材によって融雪をコントロール出来るものかの試験をしました。

 

場     所:長野県飯綱スキー場

使用遮熱材  :THB-K(5mm)を基本とした雪用遮熱材試作品

試 験 期 間:平成29年2月28日より

サンプル寸法 :2m×2m 設置後周囲も平坦に馴らす。

 

 

【1】 設置:平成29年2月28日

 

これ以上降雪は無いだろうの予測で、遮熱工事を実施した。例年1.2m位の残雪があるようだが、今年は70センチ程度と少なかった。

 

          積雪70センチ

 

 

 

2】 40日目:平成29年4月8日


途中、獣によって遮熱材を破られたり、風により上部遮熱材が吹き飛んだりして正確な残雪量の計測は不能となり中止しました。周囲は殆ど雪が無くなっていましたが、それでも30センチほどの雪が残っていました。

 

          残雪30センチ

 

 地上用遮熱材

 

 

 

 水上用遮熱材



 

 

この遮熱材は、ステンレス製イカダの表面に遮熱材を貼り、湖沼に浮かべて太陽からの輻射熱を反転させる“水上用遮熱材”です。太陽からの輻射熱は、遮熱材表面で波長を変えず直接反射する事が出来るのでアルベドを向上させることができ、大気中に滞留する熱量を少なくすることが可能であると考えられる。即ち、CO2削減とは別に地球温暖化対策に大きく貢献することができる。

 

一方、湖沼には熱が供給されないので水温上昇を阻止する事が出来る。勿論、遮熱材の間隔を変える事により、必要な量の日射も得られる。太陽光が直接照射される部分は対流が起きているが、水上用遮熱材の下部は層状の温度分布となるので、組み合わせる事により大きな対流を作れる可能性もあり、生態系を守るには効果的なシステムであると考える。


 

        【渡良瀬1号】 栃木県足利市 渡良瀬川にて撮影 平成28年6月11日

 

 

 

海洋等では、マイクロプラスチック等の問題や大型魚類の衝突、或いは長期に塩分等に接触するので本体は耐久性のあるステレンス製イカダとしました。

 

しかし、湖沼等では年間を通して施工する必要も無く、夏場の水温上昇だけを考えるのであれば、マット型の水上用遮熱材でも可能ではと考えています。これは、例えば薄い浮輪に屋外用遮熱材を貼ったもので、夏場は水面に浮かべて使用し、秋になったら空気を抜いて丸めて収納し湖沼から撤去してしまうので。ステレンス製イカダと効果も同じで、価格も安く種々の用途に使用できるのではと考えています。

 

私どもは物づくりの企業です。これ以上の試験も実証もできません。大学や自治体等公共機関での検証を期待しております